見えなかったものが見えてくる - 新たな計測システムの提案 次世代電池 評価試験装置

[RPT]剛体振子型物性試験器

  • カタログダウンロード
  • 製品のお問い合わせ

コーディング材料 単独材料
コーディング剤物性 セパレータ物性・フィルム特性
乾燥・硬化性 硬度
付着・接着性 透過性・濡れ性
硬度・粘度  
  • 集電材上での電極材料の乾燥・硬化条件の決定に
  • 集電材上で乾燥・硬化した電極材料の物性評価に
電池材料分野における剛体振子
自由減衰振動法(FDOM)の活用
剛体振子型物性試験器RPT-3000Wは、剛体振子自由減衰振動法(FDOM)によって、集電材上に成膜される電極材料の乾燥・硬化最適条件の設計に有効な情報が得られます。また、集電材上で乾燥・硬化成膜の物性評価が行えます。この評価によって電池性能向上に寄与する電極膜特性を把握することが可能です。その他の電池に使用されているコーテイング材料の評価も可能です。乾燥・硬化は広範囲な膜厚(0.01μm~数mm)、定温、温度変化(-100~400℃)、加熱硬化、光硬化等の条件で試験評価が可能です。本技術は集電材のような実用的な基材上での実用膜厚での試験評価が可能であることからISO12013として規格化推進中です。

剛体振り子型物性試験器 RPT-3000Wは、広い分野にわたる材料の評価に活用できます。

塗料・接着剤
  • 硬化温度と硬化時間の評価
  • 硬化剤による硬化性、物性評価
  • 塗装ラインの設計データ
  • 塗膜や薄膜の品質評価
  • 付着性、歪性等の評価
化粧品・医薬品
  • マニキュアの乾燥性と表面物性評価
  • パックやパップ剤の乾燥性と粘着性、弾性の評価
  • 潤滑油や洗浄性の評価
食品
  • ゼラチンや寒天等のゲル化特性の評価
  • 食品等の官能的性能の定量的評価
繊維
  • 繊維の物性評価
  • 布の風合いの評価
プラスチック
  • 表面物性の評価
  • ハードコートの硬化、表面および内部の物性評価
  • フィルムの物性評価
印刷
  • 被印刷物上でのインキ物性評価
  • ローラーへの転写性の評価
  • インキの乾燥性評価
電子・電気
  • 導電ペーストの硬化特性評価
  • プリント基板の硬化および物性評価
  • ハンダの溶融・固化特性評価
その他
  • コンクリート、アスファルト等の物性の評価

1. 極材料乾燥・硬化条件評価

電極材料はAlやCu箔に塗られて、粘着します。粘着が強いと加熱による運動性が悪く、橋架けには高温を要します。目的とする集電材上での試験を行い、最適加熱条件を求めます。

2. 極材料溶液の乾燥過程評価

対数減衰率の変化より、膜生成過程における歪の発生評価、乾燥・硬化膜の粘り程度評価から電池用の膜特性を判断できます。乾燥・硬化急激に起こると、初期にピークが出現し、これが硬化歪になります。このピークがある乾燥・硬化膜は剥離や膜表面の緊張が起こり、硬質な膜になります。硬化歪のない膜となる乾燥・硬化条件へのシュミレーションが行えます。
周期の変化から網目の程度が評価できます。蓄電量獲得には網目の大きさの調整も重要です。周期の低下量が大きいほど網目は緻密になります。膜成分と基材(集電材)間で剥離が起こると試験の途中で周期が増加します。

3. 網目の大きさの定量的評価

硬化挙動試験領域において、乾燥・硬化を行います。その後、温度を降下してから連続昇温を行います。試料(電極溶液材料)の弾性率(G’)は試験時間0での値です。下記の式に当てはめてE’を求めます。
E’’R=(1/T2-1/T02)/(1/T-1/T02)
E’= E’R×G’
橋架けの大きさ(Mc)は次式より求められます。
Mc=3ρRT/E’120℃
すなわち、決着材の網目は基材(集電材材質)によって大きく異なることを示します。また、遊離皮膜にして微小変形物性試験器(DMA)での測定では、測定張力によって網目が伸びるため振動による変位が小さくなります。そのため、網目が小さく表現されます。

4. 電極膜の断面物性の評価

3.において、硬化挙動試験領域後の乾燥・硬化膜の上にシリンダー状エッジを乗せます。温度を連続昇温しながら対数減衰率変化を求めると図1のように大きく2つのピークが得られます。硬化挙動試験領域後連続して昇温させながら試験すると図2のように1つのピークが得られます。
この乾燥・硬化膜の表面から内部の硬さを微小硬度計で測定すると図3となります。
これらの図を解析すると、乾燥・硬化膜は表面から1,7μmには97.5℃のTgを有する層があります。その下にはTgが88,7℃の膜が生成していることが判明します。

5. 乾燥硬化膜物性評価

温度分散、Tg値、Tg温度による乾燥硬化膜の電池性能評価 乾燥・硬化した電極膜を連続昇温させながら対数減衰率を測定すると得られる図です。この挙動からTg、網目の大きさの分布、網目の大きさ、電極膜の硬さが評価されます。電池材料においてのTgは電池使用時の発熱温度より若干、高温であることが使用安定性から良いと言えます。網目の大きさの分布は広い方がたわみ性や電解液の接触性から望ましいと考えられます。Tg値は高くなると膜に粘りがあり、低いと剛直な膜となります。
この試験によって、周期の結果は変化がないことが望ましい膜となり、乾燥・硬化が不充分であると、周期は低下します。低下することは測定熱で乾燥・硬化が進行したことになります。すなわち、乾燥・硬化が不充分であったことになります。

6. 造膜後の乾燥・硬化性の評価

電極膜の乾燥性が不充分な状態で電池を作ると、電池使用過程で膜物性が変わり性能が変化します。よって、サンプルFは良品であり、サンプルDは不良品であることがわかります。サンプルFは乾燥・硬化2日後と同じ物性を示しています。
すなわち、乾燥・硬化後には構造が安定していることになります。
ところがサンプルDは乾燥・硬化後も2か月間も変化しています。
この違いは性能に大きく寄与します。